たぐち

殺しの烙印のたぐちのレビュー・感想・評価

殺しの烙印(1967年製作の映画)
5.0
最高。
躁鬱のように生と死が入れ替わる。
ショットとショットの整合性が完全に崩壊し、セリフだけが虚しく映画的空間の中を浮遊する。
建物や物体の構造を知り尽くしたからこそ作れる、ぶっ飛んでいつつクレバーなカメラワーク。
音の使い方もわかってらっしゃる。
笑えるシーンのユーモアや、殺しのシーンにおけるバスター・キートン的なアクロバティックな仕掛けも仕込まれている豪勢さ。
理知的に組み立てられた映像が、観客的に感覚的、本能的な快楽を与えてくれる。
本当に贅沢な体験。
たぐち

たぐち