matsushi

晩春のmatsushiのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
4.4
最高。描かれているのは本当にミクロな出来事なのに、映像演出を工夫するだけでこんなに感情を動かしたり、伝えたりできるのかと改めて映画の凄さに感嘆した。

父と娘との心の距離を、奥行きの距離で表現するかね。左右に分かれたり、遠い距離感にあったりはあるけど、奥行きの、しかも縦で表現するかね…

あと何と言っても原節子のあの憎悪と悲壮感を帯びた顔。彼女の心情が手にとるようにわかる。能という周りが同じ視線上にある場面であえて、人物の視線に違和感を持たせることで不安や複雑な感情を伝える。それに相まって原節子のあの演技力。

圧巻。
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