ブタブタ

不良番長 出たとこ勝負のブタブタのレビュー・感想・評価

不良番長 出たとこ勝負(1970年製作の映画)
3.5
新宿の街をバックにいきなりナチス帽被った集団がナチス式敬礼。
東映プログラムピクチャーの中でも、その時のメイン作品の同時上映即ちレコード(というのも懐かしいが)のB面的な位置で制作され、全16作にも及んだ今やカルトムーヴィー《不良番長》シリーズ。
東映のやり手社長・岡田茂の肝入りで梅宮辰夫を売り出す為に当時アメリカでヒットしていたオートバイに乗ったヒーローが主役の映画を参考にして企画し作られたという。
この東映・岡田茂社長という人物はロジャー・コーマンやロイド・カウフマン等と同じくB級映画、アクションやエロ、下世話で人間の欲望に忠実なインテリ層が顔が顰めようがとにかく人が喜ぶ、そして儲かる映画を次々に企画し作らせヒットさせた、単に東映社長というだけでなく映画プロデューサーとしての手腕も並々ならぬ物があったと思う。
初期は同時上映の東映任侠路線ヤクザ映画とは一線を画す反社会的アウトロー集団だった愚連隊「カポネ団」もシリーズが進むに連れて単なる愉快な仲間と化していく。
警察と暴力団の癒着で東京から落ち延びたカポネ団が行き着いた先は福島磐梯温泉。
ここを舞台に土地開発を巡る何やかやの大騒動で最後は富野由悠季アニメばりの全員死亡皆殺し大会となる。
メンバー達が死に際に一発ギャグを決めてから死んでいく。
「俺はまた死ぬのか」のセリフ通りカポネ団の面々は『不良番長』が続く限り死んでも生きている(!)
鴨川つばめの『マカロニほうれん荘』もほぼ同時代で、この頃のプログラムピクチャーの影響も可也あると思う。
漫画的なキャラクターによるいつまでも永遠に終わらないドタバタ劇。
ポスターは何故か三島由紀夫の「盾の会」の制服。
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