トムコーディ

ランボーのトムコーディのレビュー・感想・評価

ランボー(1982年製作の映画)
3.8
 ロッキー、ランボーとスタローンをここから有名人にする2大巨頭の1つにあたる初代ランボー作品。ベトナム帰還兵のランボーが帰還し、友人宅を訪れ、とある街で休憩しようとするも、その街の保安官に嫌がらせを受けて、1人対 街の保安官達の警察部隊という戦いになっていってしまう話。
 この作品以降の作品と比べるとアクションや派手な銃撃戦やエンタメ感もなく、どちらか言うと陰気で泥臭く古臭さが目立つ作り。  
 この次の作品の2での最後にランボーがトラウトマン大佐にラストで、熱烈に説くシーンと台詞がこの1そのもの、答えになっていると思います。
 ベトナム戦争に行った軍人は国のためにならと命を捨ててもいいと言う思いで戦場に身を投じているのに、戦争が終わり帰ってくれば友人は補償もなく、戦争後遺症などで亡くなったり、またはこのような不当な扱いを受け、アメリカ(国)に対する悲しみや失望または怒りを感じ、2の有名な台詞に出てくるエクスペンダブルズ(捨て石、後のスタローンのエクスペンダブルズの映画)の、意味やつながりのある作品。

「彼(アメリカ兵)らが国を愛したように、国も彼らを愛してほしい・・・俺の想いも同じだ」

と言う2作目のラスト台詞がこの初代作品の全てを物語っているように思えます。
 
 なにはともあれ、戦争は良くないと思いますが、ベトナム戦争は特に間違った戦争だと今日でも言われています、アメリカはたかをくくり、すぐに勝てて終わるような簡単な戦争と思いきや、ベトコン達に密林やトーチカでの待ち伏せにより苦難を強いられ、数年かかっても勝つ事ができず、枯れ葉剤による散布での傷害(ベトちゃんドクちゃんなどの奇形児)等も然り、結局多くのベトナム兵やアメリカ軍人を失い、勝つ事ができずに、アメリカの酷評とともに世論も強くなり、ベトナムから撤退するという失態。
 そんな長い戦争で一番精神的(PTSD)にも肉体的にもボロボロになり傷ついたのが兵士達であったのは、間違いありません。
 そんな間違った戦争が終わり、ベトナム帰還兵を癒やした歌が、あの有名なカーペンターズの歌「(They Long To Be) Close To You(邦題:遥かなる影)」名曲です。藤井風くんも歌っています、最高に癒やしの曲だと思います。