これはマズいなあ。80年代という時代背景といい、世之介が通っていた大学といい、全てが俺にジャストミート。流石に自治会のタテカンは出てこないけど、昔のキャンパスの雰囲気がよく出ていて、これだけでもう胸が一杯になる。
本編はひたすらユルくてヌルい。壮絶な結末も脇役の伝聞でしか語られない。だが、そこが良いところ。長回しのカットとも相まって、このユルさヌルさが心地良い。
吉高由里子は生粋の無垢をほとばしらせねばならない難しい役を上手くこなせたのではないか。終盤吉高と高良の互いの名前を呼び合うやりとりには骨抜きにされた。
観終わって、思い出すと笑みが込み上げる奴って学生時代だと誰だろう？と思ってしまう。この映画を見た当時の旧友は、俺のことを思い出すだろうか。
