上海ろんろん名瀬

横道世之介の上海ろんろん名瀬のレビュー・感想・評価

横道世之介(2013年製作の映画)
3.5
80年代はわたしの知らない時代。
バブルの時代。好景気で今とは考えられないくらい金銭感覚(って両親からきいてて)スマホはおろか、携帯電話すらなく、パソコンが普及しだして、待ち合わせも大変だろうし、飛行機が墜落して、尾崎は死んで、明石家さんまが絶好調で、聖子ちゃんが流行ってて、井森美幸がデビューして。その頃から東京はやっぱり憧れの都市で、上京するのにわくわくして、だけどそれと同じ、いや、それ以上に不安があって、街を歩けば人はたくさんいるのに自分だけが取り残される感覚になって、大学に行っても期待以上の面白いやつなんかいなくて、意識高いのは自分だけな感じがして、思わぬ時に恋に落ちたり落ちなかったり、寂しさのあまり軽薄な人間関係を作ったり、そういうところは今の時代と変わらなくて、思い返せば青春だったなぁって思えるもので、そんな時に横道世之介を思い出せたらちょっと得した気分になれるだろうな。