GOODNIGHT

ガメラ3 邪神<イリス>覚醒のGOODNIGHTのレビュー・感想・評価

4.7
ヒーロー映画のタブーに挑戦した映画。
ガメラは世界を救ったかもしれないが、それは犠牲を必要とした。その犠牲になった人々のいのちは、世界が救われるために死ぬ運命だったのか?そんないのちはあっていいのか?それを問いかける。
ガメラはヒトとの縁を断ち切り、生命を育むことのできる地球を守ることへ専心する。
BGMが特に良かった。イリスと自衛隊の戦いは些か自衛隊普通科の火力では勝てないのでは、、と思った。
2022年7月19日追記
元自衛官の立場で見ると、空恐ろしいことに1999年と2022年で装備が変わったのは実に64式から89式になったくらいというのは日本の防衛能力に疑いの目を向けざるを得ない。(あとはサスペンダーが単色から迷彩になったくらいか?あと袖がボタンからマジックテープになったくらい)
まあ、戦術としては真っ当だと思うけど、リアルな立場だと正体不明な敵?動物?に対して頼りない64式で挑まされる普通科隊員に同情するしかない…
まず、64式が有効なのかATMが謎の生命体に効果があるのか…
シンゴジラに続いて、シュミレーション映画として自衛隊が防衛出動した際のリアルを映画にしたらおもしろいと思う。
ただ、自衛官だった頃の隊の気質を考えると正体不明の敵に対して64式とATMで攻撃させられそうだよなあ…まともな判断じゃないと思うけど…

画的には普通科を出すけど先ずは特科の火力を集中させるんじゃないかなあー

あと、あんなポンコツ無線機を連絡手段にするのもヤダ。
7月15日追記
映画館で見れる機会があったのでみてきました。
今回の印象的なシーンについて感想を書きます。
・渋谷
 いやあー、映画館の大音響で見ると最早怖い。怖かった。初代ゴジラでみたような怖さがあった。
渋谷がリアルだからこそでしょう。人がばったばた吹っ飛ばされて。怪獣はあくまで怪獣なんだ!ってのを感じた。
実際にガメラが来たらあーなるよねえ。
飛ぶとガスでヒトなんて吹き飛ぶし、動くだけで地下街がぶっ壊れる!うん。怖い。
未曾有の災害にさらされた今の日本ではもうショッキングで撮影できない映像かもしれない。
 ただ、人間の映像体験は経験には劣るながら、擬似経験を生むものであるからこういった災害への漠然とした恐怖や畏怖を学びとる機会としてリアルであればあるほど大切なことだと思う。
・日本の根っこ
G3から登場したオカルト要素。まあG1から勾玉やらアトランティスやらオカルト要素はあったが、巫女の血筋で政府の人間としてオカルト教団が現れたのは当時の世相なのか?こうゆう要素もおもしろいよね。あまり深掘りされないのも、あれこれ考える余地がありおもしろい。
あと、手塚さん笑笑。ひろゆきが人気なのも大胆予測だよね。20年後にはひろゆきを代表するニヒリストのIT系の人物が影響力を有する時代が到来したわけだ。
・やりたいことをやる!
 今の邦画は、このガメラ3のエネルギーが圧倒的にたりない。
 ショービジネスの基礎は、やはり総合芸術としてヒトのこころを動かすことだ。だからヒトはそれに金を払うわけ。
 いまは、ビジネスが先行して芸能事務所がキャストを決めているような状態で演技が蔑ろになっている。
 極め付けは、ガメラ3の伊藤和典のようは脚本が書けない。これがほんとうに痛い。テーマも何もない。秀逸で考えさせられる、そんな映画がみたい。
GOODNIGHT

GOODNIGHT