このレビューはネタバレを含みます
コメディの皮をかぶっているが、意外とハードなゾンビもの。
ロメロのゾンビがアメリカの消費文化を皮肉ったものなら本作Fidoは古き良きアメリカを皮肉っている。字幕には反映されていないがゾンビの「封じ込め(Containment)」という言葉
がしばしばあらわれる。これは冷戦初期のアメリカの対共産主義戦略だ。脅威から身を守るために全体主義に身を置くことに対しての疑問がまさに本作のテーマのようにも思える。
一見こぎれいで洗練された町と住民だが、ゾンビと交流する少年と母親を通してその根底にある奇妙さが浮き彫りになる。
と、小難しいことを抜きにしても、よくできた作品だと思う。ティミー少年がかわいいし、ファイドとの友情もなかなか。