す

春にして君を想う/ミッシング・エンジェルのすのレビュー・感想・評価

5.0
老人たちの死への旅路。冒頭15分ほどセリフがないせいか万人受けはしなそうだけど、人生ベスト映画。

全編に渡って死の空気が漂っているけど、心情とリンクした美しい原風景と時折挿入されるコミカルな演出のおかげでそこまで重いとは感じない。死へ向かっているはずなのに映画が進むにつれ不思議な安堵感が生まれてくる。

俳優の年輪が生み出す会話の間、北欧ウォールオブサウンドも圧倒的。陰影を強調した絵画のようなショットも多々あり、ずっと感動していた。
俺が死ぬ時に目撃する走馬灯はどうか美しい映像であって欲しい、そんなことをエンドロールで思ってしまう映画。
す