Ritz

名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)のRitzのレビュー・感想・評価

3.4
小さくなっても頭脳は同じ、迷宮なしの名探偵、江戸川コナンくんの推理がさえる劇場公開作品第2弾。

もはや永遠の小学生探偵としての地位が固いコナンくんであるが、今作は歴代の劇場作品のなかでもかなり完成度が高い作品だと思う。
比較的最近の劇場公開作は、すこし押しつけがましいというか、ストーリー編成にサスペンス色があまり感じられず、どことなく教育的というか、形式化してしまった「コナン映画」の枠のなかでもがいている印象を受けることが多い。見た目は子供、頭脳も子供になってしまったのか、現役小学生でも解けそうなチープな推理に、少々マンネリ感が漂う… しかし、やはり初期作品。今作ではちゃんと天才高校生の推理をしてくれてます!

今回は毛利小五郎の身近にいる人間が何者かに次々と命を狙われていくという事件がおきるのだが、彼が刑事時代に担当した過去の事件の謎、さらに毎回現場に残される謎のトランプなどの「トラップ」を仕込むことで、伏線だと思っていたことが実はフェイクだったというような、挑戦的なストーリーになっている。

また、毎度お馴染みのことだが、コナンのラストはすごく恥ずかしい(笑)必ずといっていいほど背中がむず痒くなるような台詞で〆るのがパターン化しているが、その点今作は比較的落ち着いている印象をうけた。しかし終盤の犯人と対峙するシーンやクライマックスは執拗な盛り上がりを見せるので、やっぱりコナン映画の醍醐味はこれなのかな、と久しぶりの鑑賞に少し懐かしさを感じた。
小学生のころにみた時の、わくわくとハラハラの興奮が20代になってもやってくるとは、単に僕が見た目は大人、頭脳は子供の逆コナンである可能性は否定できないが、それでもやっぱりこの時代のコナンは面白いと思う。
7/9 DVD
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