ペコ

見知らぬ乗客のペコのレビュー・感想・評価

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)
4.2
面白い!さすがヒッチコック、まるで映画作りのお手本かというような一本です。

元々『映画表現の教科書』で取り上げられていたので視聴したのですが、文中に記載されている冒頭の2人の男が交差するシーンの映像的論点という点以外でも、どちらに転ぶか予想の付かないストーリー、ライトモチーフ遣い等音楽的な意味付け、その他各シーンの構図や陰影表現等、終始気になる表現や先の気になる展開が用意されていて、最後まで緊張感が持続します。

どことなくケビンスペイシー風味な、ロバート・ウォーカー演じるブルーノ・アントニーの不気味さがまた良いです。
持ち前の人当たりの良さで、気付くと相手の懐に潜り込んでいる…こういうサイコ的キャラクターって、例えばクリーピーで香川照之演じる西野とか、割と近年発明された人物造詣かと思っていましたが、この時代からいたんですね。。

直近は"列車"をテーマに映画数珠繋ぎをしていますが、本作も御多分に洩れず、列車という見知らぬ人間同士が交わる場で生まれるドラマですね。個人的には、アントニーのような人間に出会うくらいなら車移動の方がいいと思う派です。笑
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