見知らぬ乗客の作品情報・感想・評価・動画配信

「見知らぬ乗客」に投稿された感想・評価

 月1でレビューしておりますマンスリーヒッチコック、今月はアメリカでの中期の作品、モノクロとしては終わりのほうとなる「見知らぬ乗客」を鑑賞。

 比較的新しいとはいえまだまだ50年代に差し掛かったばかり。すでに斬新な映像表現をいくつも披露してきたヒッチコックにしては、極めてオーソドックスな教科書通りのような映画となっている。

 かといってつまらないのかと言うとまさかそんなはずもなく、今回は「太陽がいっぱい」のハイスミスの原作を元に、かのチャンドラーを脚本に迎え、この3年前の「ロープ」で臆病なフィリップを演じたファーリーグレンジャーを再起用して製作・監督に当たっており、どちらかというとホンの面白さに焦点を当てているような気がした。

 その巧妙なあらすじを見事に具現化しているのがロバートウォーカーという俳優さん。さすがのヒッチコックでも彼の演技無くして本作は成り立たなかったのではと思えるほど。

 犯罪ものではあるけれど、推理やトリックを楽しむものではなく、どんでん返しも無い。それでも終始ハラハラと引き込まれるのは貫禄の域に達する計算され尽くしたカメラワークによるところも大きい。もはや芸術的素晴らしさだ。

 メリーゴーランドのくだりはヤリすぎなくらいの迫力でちょっと笑ってしまうほどだけれど、テニスの試合を織り交ぜたり、群衆を手なずけての撮影など、当時映画館で観ていたら興奮の坩堝だったに違いない。つまり全編にわたりエンタメ性が半端ない力作だった。

 ところでこのロバートウォーカーという役者さん。初めて観たのだけれどとにかく凄いインパクト。気になって調べてみれば、ジェニファージョーンズの旦那さんで、なんとヒッチコックとも関係の深いセルズニックに奥さん奪われて頭がおかしくなったそうで、治療後に復帰した本作の公開後に次作の完成を待たず32歳で亡くなっていた😵
 自らの苛酷な経験を生かして挑んだのだろうか。他の作品も是非観てみたい。
ヒッチコック監督作品。
モノクロ映画。
偶然汽車に乗りあわせた男。
偶然?
彼はテニスプレイヤーである主人公のファンだと言ってプライベートに関わろうとし、一方的に交換殺人を提案するが…。
クライマックスで、テニスの試合をするシーンと落としたライターを手探りで探すシーンを交互に見せ緊迫させる効果をもたらす編集やメリーゴーランドが急速回転し一般客を巻き込むシーンは圧巻。
内容もさることながら、撮影・編集は素晴らしく冒頭から引き込まれ、1時間40分の上映時間があっという間に感じた。
一切の無駄の無い極上のサスペンスで唸るほど良く出来た映画だった。
shin

shinの感想・評価

4.5
ヒッチコックは列車と猟奇的なキャラを描くのが似合ってる
ブルーノがある意味でジョーカーやキングオブコメディのデニーロみたいな感じになってる
花亭

花亭の感想・評価

4.9
『太陽がいっぱい』を書いたパトリシア・ハイスミス原作の小説を最も円熟期と言われている1950年代のヒッチコックが映画化した、これまた豪華な映画である。
モノクロ映画というのは既にカラー映画が珍しくなって来ていた時代には、敢えてモノクロで撮るということの別の魅力があるように思えてならない。水墨画を見ているような不可思議な世界の表現、ある事件に関して他のものに目が行きづらく、注意が散漫にならないという効果。更に登場人物の表情が変化する時は、影の作用で恐ろしさを倍増させたりもする。
(ヒッチコックは『サイコ』を敢えてモノクロで撮ったのだろう)

ヒッチコックの映画ではおそらく最高傑作なのかも知れないと思える程、この映画はヒッチコックの映画というより、平凡な人格VS異常人格という、現在の映画に通づる普遍的な何かを観客に深く分からせてしまう、『面白い映画』である。

テニスの試合のシーンなど、ああ、この「見せ方」は凄いなと心から思った。
アンタがさっさと警察行かなかったからめちゃくちゃになったじゃねえか!……ってラストに向けて、しっかり盛り上がってくれて楽しく観れました。
浮気性で傲慢で離婚取り止めた妻を憎んでいるテニス選手のガイはブルーノと名乗る男にその妻を殺してやるから代わりに自分の父を殺して動機のない交換殺人を持ちかける映画
観客席でブルーノ1人だけが全身黒のスーツで試合に反応せず目立たさせる色彩の上手さ、構図作りが素晴らしくさすがヒッチコックだなと思った
古い。映像も芝居も演出も。でも惹きつけられる。ハラハラ、ドキドキ、ワクワクする。やはりヒッチコックは凄い。
Mypage

Mypageの感想・評価

3.8
いやー。
ヒッチコックの撮る人物はなんというかとても機械的であまり好きになれないのだけど、なんか結局おもしろいみたいなところが。当たり前のように人を殺すことに興味を持つ人が出てくるし。
有名なテニスのボール追っかけシーン。そしてちょっとおかしな展開、ひきのばすギミック。パーティーの視線ゲームもおもしろい。
テニスの試合かなりリアルですごい。なんといってもメリーゴーランド、すごい。爆笑必至。アンタッチャブルの階段ベビーカーにつながる。
テニスの試合もヒッチコックにとっては映画の材料のひとつになる。排水溝の並行モンタージュにしちゃってやったるぜっていう感じ。だけどやっぱ後半おもしろくなるなー。
ラストシーンもちゃっかりよかった。
ペイン

ペインの感想・評価

4.5
これまた神様ヒッチコックの噂に違わぬ傑作サスペンス。

洗練という言葉では物足らないほどに隅から隅まで行き届いた語り口、演出。終盤のメリーゴーランドを生かした巧みなアクション展開のあまりのスリリングさに驚愕。

個人的に主演のファーリー・グレンジャーが出ている作品は『夜の人々』や『夏の嵐』等、大好きな作品多し。
【電車で話しただけなのに】
「スマホを落としただけなのに」ではないけれど、「電車で話しただけなのに」である。
「スマホを・・・」は観たことないんだけど・・・
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