ねぇ素晴らしい

ウエディングのねぇ素晴らしいのレビュー・感想・評価

ウエディング(1978年製作の映画)
4.0
キャラクターは『ナッシュビル』の倍の48人なのに上映時間はあれより短いからよりマキシマムで高密度。円形に駐車して降りてくる人々のショット、それぞれが自律してる。扉の向こうではメイドが半笑いでこちらを見ている。いちばん『ゲームの規則』の味が濃い気がする。けれども温室では悲劇は起きず、むしろああいう外側にたむろする人たちはずっと楽しそうにしてる。あそこでハープを弾いてマリファナ吸ってるシーンが好き。もっと外に行くと死んじゃう人もいるけど。その後狂喜と悲嘆が一緒に重なる瞬間があって、みんな行っちゃって、最後に残るのはイタリアの兄弟。脚本がグループごとに手分けして書かれるなら即興も複数で同時に行われるべきなんだな。役者たちはカメラの注視点を奪い合うよう促されている。ミアファローが絵画の前に突然現れるところのリズム感はPTA作品に引き継がれてる気がする。「男と女と一台の車があれば」じゃなくて「百人の人間と一軒の屋敷があれば」映画が撮れるよ。