peanutbuttermf

バベルのpeanutbuttermfのレビュー・感想・評価

バベル(2006年製作の映画)
4.1
日本人がガイドのお礼で渡した一つの銃が、モロッコ・メキシコ人家族の破滅、アメリカ・日本人家族の絆の再生に繋がっていくオムニバス映画。不法移民、違法労働、テロ問題とヒューマンドラマに見えて社会問題てんこもり映画。オムニバスって個人的に好きなパートと、そうでもないパートでムラがあるのが多い気がするんだけれど、今作はどのストーリーもとても見応えがあった。一見関連のないように見える登場人物たちが点と線で繋がっていくのが面白い。富を手に入れても、溝が深まるばかりの家族がいる一方で、貧しいからこそ心の距離を密に暮らす家族もいる。最終的にマイノリティである家族が望まない最悪の結果になってしまって、皮肉だなと思った。あと菊地凛子がやっぱ良い。大好きな役者さんです。そしてラストで流れる坂本龍一のメロディが胸を打つ。物静かな映画だけれど、観終わった後にあぁ、いい映画を観た。と素直に感じることが出来た。