Ken

ムーランのKenのレビュー・感想・評価

ムーラン(1998年製作の映画)
3.8
2023年50本目。
おもしろかった。フェミニズム的観点で見ても、最近の作品とまた違ったもので興味深かった。

ストーリー読んだ時はどうせムーランが男勝りなタイプだから戦いに行って活躍するんやろ?って思ってたけど、全然違った。
ムーランは理想の女性っぽくなれないけど、だからと言って男らしくなることもできずに悩む。強い女性では全くなく、自己主張もできないタイプでなよなよしてる。ベルとかジャスミンとかエスメラルダとか90年代の強い女性とは真逆なキャラ。

そんなムーランを主人公に女らしさと男らしさを描いているから良い。強い女性なら周囲からの期待に反発する展開になるが、ムーランはそれを気にするし悩み続ける。

最近よくあるポリティクス的なフェミニズムではなく、純粋な個人主義的なフェミニズムなので違和感なく見ることができる。
ジェンダー模範を押し付ける社会的な圧力をわかりやすく描いている。



お話として見ると、若干前半がだるい。
しかし街が燃やされた辺りから一気に話が展開していく。
フン族が雪山を降りてくるシーンの迫力がものすごい。ロードオブザリングじゃんって思った笑
あとフン族が復活するシーンがゾンビ映画すぎるんだけど、なかなかに迫力あるし怖い。本作のヴィランは全然キャラに深みはないけど、怖いに全振りしている。それがすごい活きている。



ムーシューは終始エディマーフィーそのもの。もうそのものすぎてムーシューというキャラじゃなくてエディマーフィーに見えてしまった。



昔のディズニー作品はマジで子供に見せられないようなものだけど、本作は見て欲しいと思えるものになっている。
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