ポンコツ娘萌え萌え同盟

三つ首塔のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

三つ首塔(1956年製作の映画)
2.8
久々の神保町シアター再開!しかも待ちに待った金田一耕助特集だ!とテンアゲしながら神保町に向かった。
横溝の金田一耕助シリーズはたまに読むけど、今回見る三つ首塔は完全初見だった。しかも見たことない片岡千恵蔵版の金田一耕助だ。

久々に神保町に来たし、神保町といえば本の街だし金田一耕助シリーズは有名だし「三つ首塔」の原作版も見つかるでしょう!
まあ!すぐ近くの三省堂の古書館で原作の「三つ首塔」を迷わず購入した。積読がまたたまるが今から読むのが楽しみ!

そんな最高のコンディションで迎えるはずの「三つ首塔」だったが、ほんの少しだけ気になるところがあった。
それはまずTwitterで三つ首塔で検索した時に金田一耕助シリーズでは聞いたことない感想を見て微妙に違和感を感じる。

そんな自分でも不思議な感じのテンションの中で劇場に入っていく。

   「誰、このおっさん?」

もちろん金田一耕助も知っている。金田一耕助といばヨレヨレの着物に髪の毛がモチャモチャしているけど愛嬌のある名探偵だ。
片岡千恵蔵も知っている。片岡千恵蔵といえば有名な時代劇スタァだ。

だけどこの金田一耕助は恐ろしく解釈違いだった。片岡千恵蔵の演じた金田一耕助はスーツ姿だった。どう見てもヨレヨレの着物なんて着そうにない、ピッチリとした雰囲気。しかも白木静子名乗る女性の助手がいたり。何だ?金田一作品にワトスンみたいな助手はいないはずだ…。あっ、しかもなんかカーチェイスし始めるし…。
ちなみに後にWikipediaを調べるとこのスタイルが片岡千恵蔵版金田一耕助らしい。何だか金田一耕助というより真面目そうな私立探偵のような…。

そんな狐に包まれるような思いをする中でいつの間にか終わっていた。
金田一耕助といえば圧倒的に田舎ミステリの印象が強く因習とかが強いイメージだけど、本作は東京、都会を舞台にしていたから新鮮味は少し感じた。
もちろん一人の金持ちが死んで遺産相続の話がキーとなるのも横溝だなぁと思うところがある。

ただ本作はミステリ要素はあるもののアクションがあったり一本の娯楽映画としては映像が楽しめないことはなくない。
ただラストの真相のたどり着き方が、金田一としてはミステリとしてはどこか消化不足な感じがした…。

果たしては私が見たのは金田一耕助なのだろうか?