ポンコツ娘萌え萌え同盟

エノケンの孫悟空 後編のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

エノケンの孫悟空 後編(1940年製作の映画)
3.2
前編以上に舞台背景を完全放棄した後編。欧風的なおとぎの国と犬人間姿の呪われた姫。悪役がメカメカしい怪しい研究所に居を構える科学者。それに挑むは三蔵法師の率いる一派の活劇。前編が旅物語なら後編は児童向けおとぎ話の感覚をベースにしても脚本が幼稚過ぎるけど、軽快なやり取り、コミカルでテンポ感の良さ、楽しいミュージカル等自由過ぎる娯楽作風は健在。相変わらず(いい意味で)緊張感はないけど。

音楽もハイ・ホーやクラシック音楽のフレーズを一部を引用したり、オペラっぽいのがあったりと少なからず洋風やらディズニー感やらを意識した場面もちらほら。
特にセットに見応えありで、最初のおとぎの物語に出てきそうな幻想的な森のセットからダンス、科学研究所では少し近未来的なブジェクトから機械。脳改造装置など怪しいアイテムが出てくる。

特撮面ではやはり空戦のミニュア操作が記憶に残る。現代基準から見れば正直ちゃちいけど、それでも本作のほぼ一番の見せ所であるのは間違いないだろう