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ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃のpenのレビュー・感想・評価

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作中で語られるゴジラが現代の日本に甦った意味を深く考えるべきなんだろうが、どうしても怪獣同士の戦いや街の破壊描写に目を奪われてしまった。それほど魅力的で、ダイナミック且つ燃える映像が連発される。

周囲のことなど一切考えずに流血上等の凄惨な戦いを繰り広げる怪獣達は、大型の外国人プロレスラーを思わせ、特にゴジラの引き締まった体躯と東京を目指す大進撃っぷりは、入場曲として『サンライズ』か『移民の歌』を使って良いのではと思うほどだった。

人間はゴミのように容赦なく死んでいき、ビルも粉々に破壊される。戦闘機は墜落し、民家へと突っ込む。やりたい放題の大殺戮ショーはいっそ清々しい。
夜の街、炎と煙が立ち込める中で浮かび上がるゴジラのシルエットは、終末世界的ビジュアルを感じさせる。
破壊の影響も映像で見せることを意識的にやっているので、その悪趣味さには良い意味で笑った。

一方で、真面目な雰囲気の中でローランド・エメリッヒ版『ゴジラ』を揶揄する会話がある冒頭や、過去を忘れた象徴として出てくる「悪い若者」の描き方(公開当時は普通に受け入れられてたのかもしれないけど)には、悪い意味で笑ってしまった。あと如何にもな役者のサービス出演も、冷めた目になる。
とはいえ、いま観ると隅々まで豪華な役者陣は見物。

破壊衝動を存分に満たしながら、意外にも最後は仕事頑張ろ、と思わせてくれる一作。
同時上映がハム太郎って、確かに凄い。
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