百合

ナイト&デイの百合のレビュー・感想・評価

ナイト&デイ(2010年製作の映画)
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アドレナリンジャンキー、キャメロン・ディアス
公開は7年前ですか。なつかしい。CMを見て惹かれたがそのままになっていた。
基本的にはわかりやすいヒーローもの?巻き込まれ系の話だよな。まぁトム・クルーズとキャメロン・ディアスだからそうなるよなあと。コメディですよね。昏倒シーンが多いのも前作へのオマージュとかいうけどまぁ基本は楽だからだろうと。でもいいですよ。絵柄が綺麗ですから。作り込むより画の派手さとスマートさ。そういう道も絶対にあるよな、わかるわかる。
そのわりに興行収入はイマイチだったらしいが、観衆はわからんね、どういう理屈なのだろう。あまりこういうわかりやすいヒーロー物語を観ない自分としてはとても楽しめた。強くてスマートな男、巻き込まれる守られる存在たる女。
ただしこの作品の秀逸かつ時代に(先?)乗りしていた点は女を守られるだけの存在にしなかったことだと思うわけだ。キャメロンはたしかに空港で出会っただけのトムクルーズに吸い寄せられていくが、彼女ができることは彼を邪魔しないというだけのことではない。時には彼を妨害し、怒らせ(これも従来のヒーローものとしては異色だろう)混乱させて同じことをやり返してやる。この意味においてキャメロンはまったく対等なわけだ。すばらしく平等な話だと思う。一見平凡で退屈な女性のキャメロンが、次第に過激な状況に慣れていってなおかつそれをコントロールするようになる過程はとても興奮できるものだ。こういう素養がある人間が開花させられるストーリーはいいよね。
個人的には自白剤を打たれたキャメロンに対して戸惑ったトムが上目遣いに、「…薬打たれた?」と言うシーンとそれに続くバイクの上で共闘するシーンが好きだった。海外の俳優さんは顔筋の使い方がすばらしい。
典型的なスパイもの。しかし並存するなお美しさと強さはひとえにキャメロン・ディアスの演技力ゆえか。
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