栗

怒りの葡萄の栗のレビュー・感想・評価

怒りの葡萄(1940年製作の映画)
5.0
貧困層の人々に焦点を当てた作品をみるときはなんだか息がしにくくなる…
最近は「希望格差社会」を読んだりしたけど、なんともならない現実とか努力しても報われない社会とか、希望をなくした人々がどのような行動に出るのかなどを取り上げていた。

「長いこと人間扱いされてなかったもので」と言うシーンが印象に残っている。

終盤の「俺はそこにもいる」のところは感慨が凄まじいことになってた。

残飯の鍋に子どもたちがたくさん集まるところも悲しい。

主人公をはじめとした「人間扱いされていない」人々、彼らをぞんざいに扱ったり簡単に殺したり、しまいには誤射したり、このあたり本当に苦しいし不条理…
現実逃避しようにもその逃げ場がない。

明日食う飯もあるかわからない。

何度も繰り返される「生活ができない」「生きていけない」という切実な言葉。

自由は一切許されず、真剣に抗議すれば「煽動者だ」と言いねじ伏せられる。

そういう扱い方をする人たちには怒りを感じざるを得ない…
栗