にじのすけ

男たちの挽歌のにじのすけのレビュー・感想・評価

男たちの挽歌(1986年製作の映画)
3.6
体温がかなり高めの香港ノワール最高傑作のひとつ。
今見ると、ドラマ部分の描き方のアラ(とかベタなとことか)やストーリー運びの無理さが目につくが、それをご愛嬌と受け取れるか否かで、好き嫌いが分かれる作品。
私はもちろん前者。主人公はティ・ロン演じるホーなのだが、とにかくチョウ・ユンファ演じるマークが非常に魅力的。
童顔で普段はチャーミングなマークが、2丁拳銃振り回して敵をなぎ倒していく姿は、いっそ美しいとすらえいるくらいです。
ペキンパーにおける暴力シーンの徹底的に乾いた感じや、深作のカメラぶん回してのノンフィクショナルなアクションの描き方に比べると、この2人に影響を受けたといわれるジョン・ウーにおける本作のアクションは、もっと情熱的でダイナミック。このアクション・スタイルは後にマトリックスに受け継がれていきます。
監督のその後の活躍の原点となったばかりでなく、後続作品への影響力の大きさという観点からも、本作はアクション映画史上、記念碑的な作品といえましょう。
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