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嗤う伊右衛門のoncochiのレビュー・感想・評価

嗤う伊右衛門(2003年製作の映画)
3.8
決して笑わない、誠実で無口な男と理が勝ちすぎる程口がたつのにいざ恋愛になると何一つ言えない不器用な女の物語ですもん。
普通の恋愛映画だと、こうやってぶつかりあった2人が時を経て徐々に打ち解けて、やがて結ばれるって展開でしょうが・・・

いかんせん、この物語は江戸のお武家さんのお話しです。惚れた腫れた以前に、最初から結ばれてます(なんせお見合い婚ですし)
ところが、これがもう見事なまでにすれ違う!
相手の事がだんだん気になってくればくる程、女は男を責めたててしまう。男も結局我慢出来ずに言い返し・・・お互い自己嫌悪。
そこに過去の因縁がからみ(男の上司はその昔、女に求婚をしたが断られた)女は騙されて家を出る羽目に。
女の本心を掴めない男は、いつか帰ってくる妻の為に理不尽な仕打ちを受けてもひたすら受け流す。
しかし終に、男の幸せの為に身を引いた女の耳に、男が結局昔以上に不幸を背負っていることが入り、女は発狂、とうとう悲劇(惨劇)の舞台が始まるのです。

いやぁぁぁこのラストはなかなかスプラッターしてましたね~♪血飛沫、飛ぶ飛ぶ!!(笑)

そうこれが京極流の「四谷怪談」なのです。
男の名は境野伊右衛門
女の名は民谷岩
唐沢さんもかっこ良かったけど、小雪さん綺麗でしたね。美し過ぎて真っ直ぐ過ぎて何者をも寄せ付けない凛とした岩さんにピッタリでした。
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