Rita

こわれゆく女のRitaのレビュー・感想・評価

こわれゆく女(1974年製作の映画)
2.9
愛で病は治らない。

精神を病んだ妻とその夫の愛と葛藤を描く。

愛しているからこそ辛くなる。病院から退院した彼女に対して強い口調で言う「普通に話せ」とはどういった意味なのだろうか。妻だけでなく夫も狂っている。普通って何なのだろう。家族の愛が強いからこそ余計に不幸になっていく夫婦の様子が何とも言えない。

メイベルが興奮してしまう状況をつくるのは必ず他の人たちなのに彼女が悪いと言う言種で責め立ててしまうことに腹が立つ。作品を見ていると、彼女の病は生まれつきではないようなので、ニックも病の原因でもあると思うのですが本当に心から妻を愛している気持ちが熱く伝わってきて不幸でもふたりが一緒にいることがどれだけ大切なことなのかと思えてくる。

メイベルが病院に連れていかれる前、ニックが「君の為なら俺は死ねる」って言っていた言葉が鮮烈に覚えている。しかし、病院から帰ってきた妻が「愛してる?」と聞いてきた時、何故かニックは黙っていた。どんな心境でお互いを想っているのだろうか。「ラヴ・ストリームス」同様、ジーナ・ローランズの演技には惹き込まれたのだけれど作品自体はつまらなかった。
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