すずす

拳銃魔のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

拳銃魔(1949年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

B級だが切れ味鋭いサスペンス演出が冴える、映画史に残る名作!タランティーノ脚本で、本人監督していない数本の映画『トゥルー・ロマンス』(トニースコット監督)の元ネタだ。

監督は、1940~50年代『ビッグコンボ』などのフィルムノワールを量産したジョセフHルイス。彼の代表作の一本。脚本の大半を、ダルトン・トランボが執筆したが赤狩りでクレジットはない。

雨の夜、14歳のバート・ターレが金物屋の窓を壊して銃を盗むが、すぐに保安官に逮捕される。バートの聴聞会で、一人で弟を育てた姉ルビーは、バートは銃に執着心が強いが殺傷に興味がないことを裁判官に確約します。彼女は彼が小さい頃、BBガンでひよこを撃った経験を話します。更にバートの友人デイブとクライドは、バートが賞金のためクーガーを殺すことも拒否した思い出を語ります。しかし、裁判官はバートを少年院に送ります。

数年後、バートは町に戻り、新聞記者になったデイブと、保安官になったクライドに会います。バートは少年院を出た後、陸軍に従軍していたが除隊、町に戻ったと話します。その夜、3人はカーニバルに行き、見世物小屋で英国から来た美人アニーローリーの射撃を鑑賞します。オーナーのパケットは観客にローリーとの賭け射撃への参加を持ちかけると、バートが挑戦・勝利してしまう。パケットはバートを雇うが、バートとローリーに色恋沙汰がはじめる。ローリーに惚れていたパケットは激怒、バートとローリーは二人で旅に出ます。

二人は結婚、すぐに金が無くなります。浪費癖の激しいローリーはバートに強盗で稼ごうと提案、渋々強盗をはじめるバート。しかし、徐々にエスカレート。精肉会社で大金を盗んで引退しようと決める二人。しかし、ローリーが警報ベルを押した女性社員を射殺、カーチェイスの末、辛うじて逃げおおせます。山を越え、南カリフォルニアに逃げ込みます。FBIの大捜査網が敷かれ、二人は貨物列車に飛び乗って、ルビーの実家に避難します。バートとローリーの記事が連日、新聞を賑わせています。

バートの姉ルビーの隣人からの不審な電話で、クライドとデイブは彼女の家に向かいます。隠れていたローリーは姉のリビーを脅し、遂に、バートは幼なじみに銃を向け、車で逃げます。二人は国立公園に逃げ込み、パトカーに追いつかれ、沼地に隠れます。翌朝、濃い霧の中、クライドとデイブがバートに声をかけます。ローリーは近づくと声に向けて発砲、するとバートがローリーを撃つと、警官隊の発砲が始まる―

神経質な主人公を演じるジョンドール(北村有起哉っぽい)と、脳天パーでキャバいペギーカミンズが素晴らしい。サスペンスは濃密で、地獄へ一直線突っ走る二人に、何故か、感情移入する自分がいる。
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