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エデンの東のfernのレビュー・感想・評価

エデンの東(1954年製作の映画)
4.0
〈午前10時の映画際〉で鑑賞。
ジェームス・ディーンの魅力にやられました。

撮影時は24歳と言うことで、20代の一時期にしか醸し出せないみずみずしいオーラが眩しかったです。
繊細でチャーミングな目線や仕草も素敵。

それにしてもこの映画の言いたい事は何なんだろう。
建前だけの善は他者を傷つける、と言う事なのか。
聖書の教えからあくまでも良き事を押し付ける父親に元妻もキャルも心を傷つけられている。
アブラもまた聖人君子のアロンから傷つけられている様子。
「アロンは本当にいい人だけど、私はそんなにいい子じゃない。悪い心もたくさん持っているの。」

最後のアロンの暴挙も、結局は真実を見ようとしない父親の生き方が原因と言えるのではないでしょうか。
もっと聖書についての知識があればよく分かったのかもしれません。

父親と息子の関係
父親を挟んでの息子達の確執
色々と考えさせられる所がありました。

1955年の映画と言う事ですが
映画は進化してるな、としみじみ思いました。
この映画自体、すべてが舞台の演劇のようでしたし
音楽に至っては、あまりにも直裁的でキャルが不安な気持ちの時には不安な音楽
乱闘シーンでは、明るい派手目な音楽が流れて。

今作ったらどんな映画になるのだろうか、と想像しました。
でも、ジェームス・ディーンがいない今、それは無理ですね。
それくらい魅力に溢れた役者さんでした。
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