槙

軽蔑の槙のレビュー・感想・評価

軽蔑(2011年製作の映画)
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「千年の愉楽」に続き、中上健次原作。レビューが散々だったので特に期待せずに見たけど、良かった。

カズと真知子はどうやって知り合いどういうふうに関係を築いていったのか、はあえて映されず。高良健吾の演じるクズ男最高、では片付けられない、カズという男をクズにしてしまった田舎の閉じた町とそこにずっといる仲間、集落内の経済格差、家族制度。「私を見て」、「五分五分だよ」という真知子をカメラがクローズアップで捉えるのはいつも真知子が孤独の時で、それはカズの視線ではない。こういうの撮ってこその「PとJK」なんだよなぁ……さすがだった。最後の真知子のセリフと田舎と東京の路地を順に映して終わるラストも良かった。廣木監督の「さよなら歌舞伎町」と撮影監督、照明監督が同じで夜の街の光の捉え方とカメラワークが個人的に大好き。
槙