キク

グラン・トリノのキクのレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.6
こんなの号泣でしかない。特にラストシーンはわかってはいても涙腺崩壊。全体的にはアメリカとか現代社会の現実問題を浮き彫りにしてる。移民問題だったり朝鮮戦争やベトナム戦争だったり核家族問題だったり黒人の現実だったりすごく多面的に描かれてる。印象的なのはアジアと西欧の対比がすごく強調されてたこと。息子家族に煙たがれ孤独な白人の老人ウォルトと、家族の絆を大切にし血の繋がりが強すぎるベトナム系移民のタオやスー。すごく人種差別的なことを口にするウォルトも徐々にアジア系のいい意味でのしつこさに馴染んで行って、タオやスーや隣の家族のことを実の家族よりも可愛がって愛していく過程にまず泣く。。ラストの終わり方は、家族を大切にするはずのアジア人が家族を傷つけて、移民を嫌い個人主義の保守的だった白人が移民の子供達の為に死ぬという逆転現象。最後の復讐の仕方なんて愛情以外の何物でもない。
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