nocchi

機動警察パトレイバー2 the Movieのnocchiのレビュー・感想・評価

4.2
たまらんかった…

軍事、政治、国という虚構、兵器。
男と女、敵と味方、正義と悪。

決して溶けて一つになることのない薄い皮膚の上を、無駄だと知っていて、なぞり、そこに他者がいることを知覚して。
その違いに苛立ち、分かり合えぬことに絶望し、一つになれない歯痒さを抱えて
それでも、この生命あるからには、せめて寄り添おうと拙くも試みて。
我々は生きてゆく。

パトレイバーのガワを被った押井ズムということを理解した上でなお、攻殻よりも好きかもしれない。
パト2→踊る→サイコパスの系譜を感じてやまない…シンゴジもそうね。
ジガバチやタチコマじみた機体がごろごろ出てきて大変眼福である。

しのぶさんと後藤さんと拓殖が、
まるで素子とバトーとクゼのよう。

他の者には抱かない特定の思慕というものは、ただの恋慕や、憧憬や、憐憫や、劣情などでは済まされず、名前などつけるほうが勿体のない…混沌とした液体のような、鎖のない優しい執着。
この三人の、熟成されたそれが、若者…泉や篠原たちの、青く眩しく未完成なそれと、好対照に描かれる。

竹中直人良かったなーー
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