じゅん

ルネッサンスのじゅんのレビュー・感想・評価

ルネッサンス(2006年製作の映画)
3.9
2006年のフランス映画。簡潔にいえば近未来SFアニメ映画。画が独特で、トゥーン・シェーダをもっと極端にして白黒二値だけにしたような、墨絵のような、そう、99%が白黒の映画です。
ストーリーはそうややこしいものではなく、誘拐された美少女の先端科学研究員、それを追う刑事の主人公、次第にあらわになる隠された陰謀…という感じ。フランス映画だけあって、画も話もまさにフィルム・ノワールかも。
描かれる世界観が、ブレードランナーとかAKIRAとか攻殻機動隊というかの、近未来なサイバー・パンクというかスティーム・パンクというか。これが独特の白黒CGで描かれるので、たしかにちょっと一見の価値はあるかも。舞台が近未来のパリなので、主人公のカラス警部が乗っているのは近未来のシトロエンで、実際シトロエンのデザイン・センターが担当しているみたい。(I, Robotでウイル・スミスが乗る近未来アウディとか、マイノリティ・リポートでトム・クルーズが乗る近未来レクサスとか、最近のこの手のものはみんな自動車メーカーが自分で持ち込んできますよね) これがまた「過ぎ去った未来」感が満点で、TRONとRONINを足したようなカー・チェイス・シーンには、その筋のかたなら7回は抜けること確実。
声をあてているのもダニエル・クレイグとかジョナサン・プライスといった渋いあたりが出ているので、ぜひ英語で見ていただきたい。
(どうせならフランス語でやってほしかった気もするが)