すずす

三人のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

三人(1925年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

怪優ロン・チェイニー、『フリークス』のトッド・ブラウニング監督の代表作。ユニバーサルからMGMに移籍した名伯楽アーヴィング・タルバーグの制作。大ヒットを記録し、5年後にトーキーで再映画化される。
以下は物語。

見世物小屋の中、怪力ヘラクレス(ビクター・マクラグレン)や腹話術のエコー(ロン・チェイニー)の周囲に人だかり。エコーはロージーに客の財布をスラせている。可愛い小人のトィードルディー(ハリー・アールズ)が暴言を吐いた子供と喧嘩をはじめ、親が参戦。ヘラクレスも参加し、場内は大乱闘となる。3人は金儲けの計画をするため、トリオを組む。腹話術師エコーがオグレディ婆ちゃんに、そしてトィードルディーが赤ん坊ウィリーに扮し、喋るオウムをでっち上げて販売していた。店の従業員ヘクターは純粋で、彼女の素性を知らぬまま、エコーの女ロージーに惚れている。
クリスマスイブに、購入した「話すオウム」が喋らないというクレーム対応で、オグレディ婆ちゃんが赤ん坊ウィリーと、アーリントンの豪邸を訪問。彼らは高価なルビーのネックレスが家にあることを知り、強盗を計画する。エコーがロージーと喧嘩していた為、ヘラクレスとトィードルディーは二人で家を出る。翌日、宝石が盗まれるだけでなく、アーリントン氏が殺されていた。エコーは激怒。すぐに警察官が現れますが、オグレディ婆ちゃんたちがその場を切り抜けます。しかし、再び警察が捜査に来た時、ロージーに求婚し面倒な存在となったヘクターを強盗に仕立て上げます。怒ったロージーが警察に通報すると騒ぐと、彼女を拉致し、3人は大猿を連れて、山小屋に隠れます。
ヘクターの裁判。ロージーはエコーにヘクターを助けるよう懇願し、助けてくれたら生涯一緒にいると誓う。エコーが街へ向かい、トィードルディーはヘラクレスがロージー2人で逃げようと話しているのを立ち聞き、トィードルディーは大猿を檻から出し、ロージーは逃げおおせるが、2人は大猿の餌食となる。

エコーは裁判で、腹話術のようにオグレディ婆ちゃんの声で証言し、ヘクターは釈放されます。エコーはロージーにヘクターと暮らすように云い、腹話術の日常に帰っていく「友達がいて…少し笑い、少し涙。人生そんなもの」----------

小人を詐欺に使う、卑劣・奇天烈さの極みのようなサスペンスですが、エンディングにはマイノリティーの悲哀が滲み、なかなか見られない貴重な映画だと思います。
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