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ニュージーランドの若大将のkojikojiのレビュー・感想・評価

ニュージーランドの若大将(1969年製作の映画)
3.8
1969年 監督:福田純 脚本:田波靖男 
2022.08.28視聴-395 評価3.8
● 加山雄三(雄一)
● 酒井和歌子(節子)
● 飯田蝶子(おばあちゃん)
● 有島一郎(お父さん)

 若大将の13作目。ほとんど誰も注目しないこの映画が私は好きだ。今観ると駄作中の駄作と思う。でも好きだ。
 この映画を観た頃、私にはニュージーランドがすごく新鮮に映ったのが一番の理由かもしれない。相手役酒井和歌子も最高に可愛い時期だった。

 前作からサラーリーマンになっている若大将。
 懐かしいおばあちゃん飯田蝶子、お父さん有島一郎、(みんな死んじゃった)ダーリン(江口)、妹の照子そしてすき焼き屋田能久も健在。理想の家庭だ。もちろん青大将はますますグレードアップしている。
 前作から恋人役は澄子(星由里子)に代わって節子(酒井和歌子)に引き継がれている。

 若大将も実年齢は32歳になっている。
 ヒット曲も無くなっているが、まだまだ東宝は若大将人気に頼っていたのだろう。無理矢理にこんな映画を作っている。

 節子役酒井和歌子はこの頃絶頂期。一番可愛い時期だけど、演技はお世辞にもうまいとは言えない。ファンとしては、そんなことはなんら問題ではないのだが。

 それにしても若大将雄一はこの映画ではかなり女性にはうわついている。それで節子は映画のほとんどイライラしているが、やきもちやきであることは否めない。
 もう少し、二人がゆっくり愛を語るシーンが有れば、まともな映画になっていたと思うのだが。アイドル映画にそれは求めすぎか。
 アイドル映画と言えども、フィルムの長さにはかなり制限があったのは間違いない。

 初めて観る人には何らいいところもない映画だろうが、若大将シリーズの代表として評価3.8をつける。

 加山雄三は若大将を作り始めた頃は洋楽に傾倒していたために、作曲はするが、歌詞は英語で書いていたらしい。東宝の依頼で(ここはあやふや)岩谷時子が歌詞を書き始めてヒットしたという話を聞いたことがある。

 この映画、ヒットもなくなり原点に戻ったのか、挿入歌「Someday Sometime」は英語の歌詞だ。この曲は日本語歌詞では「俺たち」という曲になっている。私にとってこの曲は加山雄三の曲の中ではかなり好きな方の曲だ。ちなみに、好きなのは英語歌詞の方。
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