にっちゃん

ブラッド・ダイヤモンドのにっちゃんのレビュー・感想・評価

ブラッド・ダイヤモンド(2006年製作の映画)
4.6
アフリカで起きている悲劇をえぐりとった一作。

紛争に巻き込まれる人々。
戦士に変えられる少年たち。
横行する賄賂。
腐りきった軍部。
さらなる争いを生む天然資源。
無力なジャーナリスト…

この作品で描かれているのは
そのまま受け止めるには重々しい
アフリカで起きている事実だと思う。


ディカプリオ演じるダイヤモンド密売人のダニー・アーチャーの
"Sometimes I wonder God ever forgive us what we done to each other.
And I look around I realize God left this place long time ago."
「時々、神は私たちがしたことを許してくれるのかと疑問に思う。そのあと周りを見て、神はとっくにこの場所を見捨てたと気付くんだ。」
の台詞はアフリカで過酷な環境にある多くの人々の気持ちを表現しているのではないかと思う。


映画内で描かれるほどのあまりに残酷な現実に日々直面することが、人の持つ生前的な善を傷付けることになるのだろう。

RUF(反政府軍)の指揮官が
子どもに銃を突き付けて脅すシーンで
こう言った
"Do you think I am a devil? But only because I have lived in a hell. I want to get out."
「俺は悪魔だろ?それは地獄に居るからだ。俺はここから出たい。」

人は生き延びるために悪魔になるのだ。

アーチャーも映画中、躊躇いなく子どもたちを撃ち殺す。生き延びるために。

人が人であることを保てるというのは平和という恩恵ということをこの映画は語っているように思えた。
にっちゃん

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