よっちゃん

カルロスのよっちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

カルロス(2010年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

戦後の世界情勢を体系的に掴みやすく、断片的な知識が結びついてゆくのが気持ちよかったです。パレスチナ問題や冷戦、社会主義の失敗、、、テロリストの半生の視点でこんなにわかりやすく整理されるとは!

カルロス役は多言語を操り、体形もめちゃくちゃ変わって、ドキュメンタリーを観ているかのようでした。すごかったです。

OPEC襲撃後の彼は結局資金と武器の調達のために政治に利用されており、最終的に人命の尊重や革命の大義より、捕まった同志の解放ためにテロを起こし自滅してしまった印象。5時間超の大作で、リアルゴッドファーザーみたいな盛者必衰ぶりでした。事実に基づいているのでこのへんは仕方ない。それにしても、長いと感じる部分は本当になかった。ずっとおもしろかった。

日本赤軍も登場しました。戦勝国(特にアメリカ)主導で運営される国際社会のペラペラさには確かに辟易するし、パレスチナ問題をはじめとし、しわ寄せを大いに食らった中東と、ヨーロッパの関係を考えると、手段は間違っているけど何が悪なのか、私の持つ知識では判断できないなと思いました。この作品の中ではサラッと描かれる部分をピックアップした映画のほうが多くあるので、改めて見返したくなりました。
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