やっぱりカルカン

最強のふたりのやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
4.1
2020年8月4日、日本テレビ「映画天国」で放送された作品の録画を視聴。これは間違いなく、好きな映画!

実話が基になっていて大ヒットしたとの事で、前から見たかった作品。私は本当に見たい映画やドラマ・アニメの最終回などをなかなか見ることが出来ない悪い癖があります。今回はHDDの容量がいっぱいになったので思い切って鑑賞。

前からシリアスかつ悲しいストーリーで、見たら感動で涙が止まらないだろうとばかりに思っていました。実際に始まってからも冒頭に起こった出来事や哀しげな音楽、作中の雰囲気から時々不穏な空気を感じましたが、見終わると実に楽しくて優しい映画でした。そもそもジャンルがコメディドラマとの事で、衝撃的な事件・殴り合い・殺人・銃撃戦など全くありません。

性的な要素は少しだけありますが、高校生以上ぐらいの年齢であれば未成年でもクスッと笑って終わり程度のレベルかなと思います。それ以下のお子様にはちょっと刺激が強いシーンがあるかも(笑)

正直なところ、最後まで何かどんでん返しがあるかもしれないと思い「いつ悪い事が起こるんだろう…まさかこの後まんまと裏切られるのでは…」とハラハラしながら見たのですが、周りの人達もみんないい人しか出てきません。嗚咽するほど悲しい出来事も起こりませんのでご安心ください。見終わった後は、ほわほわと温かい気持ちになる映画です。

映画の原題『intouchables』も良いし、映像も音楽もとても良いのですが特に事故で脊髄を損傷し首から下が動かない主人公の大富豪フィリップ役、フランソワ・クリュゼの演技が素晴らしい。表情だけで気持ちの全てが伝わってくるし優しい笑顔がとても愛おしく思えました。面接のシーンでは怖そうな人だと思ったのですが、全てを包み込むような笑顔とのギャップが本当にたまらない!
もし身近にあんな素敵な人がいたら、誰でも惚れてしまいそうで危険です。一番印象的だったのは「卵を返してくれ」と言った時のシーン。あの目力には震えました。

実在のフィリップさんご本人があくまでもコメディ映画であることにこだわったとの事で、こちらの記事に制作秘話がまとめられています。映画を見て気に入った方は是非ご覧ください。リンク先にある「ジェルブレと楽しむフランス映画『最強のふたり』」も合わせてどうぞ。私が好きなミッドナイト・イン・パリも紹介されています。
https://tricolorparis.com/paris-blog/french-film/intouchables-saikyo-no-futari/