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最強のふたりのENdougaのレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
4.0
事故で頸髄を損傷して体を動かすことができなくなったフィリップ(フランソワ・クリュゼ)と、その気もなくフィリップの介護人になってしまったドリス(オマール・シー)の話。実在する人物をモデルにしている。

障害をかかえた気難しいパリの富豪と介護の資格や経験もなく、雑な言動が目につくスラム街出身の黒人青年が、次第に打ち解けていく様子から感じるのは、誰かと心が通じ合うには自分の正直な気持ちをぶつけてみることからはじまるということだ。あらゆる場面で相手の気持ちをおもんばかることを良しとする日本の風潮ではむずかしいことだけど、もしも相手が自分にとって理解できない面があるとしたら、自分の考えをまっすぐに伝えた方がよろしい。それでわかりあえなければ仕方ない。そうした人間関係のいさぎよさは学びたいものだ。

映画を支えるのは、ドリス役のオマール・シーの笑顔ではないだろうか。フィリップが次第に心を開いていくのも、厳格なフィリップの助手・イヴォンヌ(アンヌ・ル・ニ)が意外な面をのぞかせていくのも、この笑顔があることで自然なものに受け入れることができた。

それから、本筋にはあまり関係ないけれど、フィリップの娘で小生意気なエリザのボーイフレンド”モップ頭”の健気ぶりにほっこり。
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