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HANA-BIのapiのレビュー・感想・評価

HANA-BI(1997年製作の映画)
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「キタノブルー」
「美しく、儚い」


映像の色味が青で本当に綺麗…自然な音もほんと聞いていてその場にいるような…うみの海の音、鳥の鳴き声、そして、銃声、花火の音…「生きている」というのを思い知らされる。
最初の10分は全くたけしさんが喋らなくて物語は淡々と進んでいくんだけど、それがまた穏やかでいつどこで「死」が訪れるか分からない緊張感…映像、音楽はすごく綺麗で美しい音楽と反する急なバイオレンス…乾いた銃声、ところどころ血生ぐさい感じ…そしてユーモアのある笑えるシーン…

冒頭と物語の中盤あたりで、すごい綺麗なユーモアのある絵があるんだけど、何枚か見ていくと狂気を感じさせる絵…ヤクザの事務所にも飾られてたんだけど、すごい不気味に感じる。だけど、頭に花がついてるの意味あるなって感じて、ポスターにも花があって、花は美しく、綺麗。個人の意見だけど、タイトルのHANAは花のことを表現しているのかな…そして「生」を表しているようにも感じる。そして、BIは(火)。ニシは最後に銃を持つんだけど、これは「死」を表しているようにも感じる…人生は花のように儚く散るっていう言葉が本当に合う作品なのかなと思う…ラストに連れて「死」を思わせるように、花びらが一枚一枚散っていくようなストーリーの進め方がほんとすごい…


物語が進むにつれて主人公のニシが奥さんにだんだん寄り添って行くシーンがほんと好き…ケーキ買ってきて二人でパズルするシーンと奥さんが釣った小さい魚を焼いて渡すシーンがほんと腹抱えて笑えたし、その二人のシーンはほとんど喋らないんだけど、すごく温かいの。だから、最後の海のシーンで奥さんが喋ったあの二言にはほんと泣ける…
そのあとの綺麗な空、澄み切った海、海の音…本当に綺麗…





すごい緊張感のあるバイオレンス描写で有名な北野作品、でも、その裏にある、綺麗な映像、キタノブルー

たけしさんの作る映画にハマりました。
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