あかね

ダントンのあかねのレビュー・感想・評価

ダントン(1983年製作の映画)
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不穏な音楽と雰囲気から始まる作品。冷静で物静かなロベスピエールと豪快で雄弁であるダントン、2人の対照的な性格が際立っていた。また、2人の対立がどちらかというとロベスピエールの視点から進んで行っているように感じられた。この作品を観る前は、当時恐怖政治を行なっていたロベスピエールは英雄ダントンを死刑台に送る完全なる悪役として描かれているのだろうと予想していた。しかしこの作品の中では、苦悩の中で進んでいくロベスピエールの姿が描かれていた。ダントンが処刑台にかけられた日、理想として掲げていた人権宣言を子供から聞かされる中で現在の自分の行動とのギャップを感じ、ロベスピエールが絶望するシーンでこの作品は幕を閉じる。人々が各々の意見を叫ぶ議会、ダントンが既存の公安委員会を罵る裁判でのシーンの迫力に圧倒された。
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