中津

青い春の中津のレビュー・感想・評価

青い春(2001年製作の映画)
3.5
「お前たちは若いんだから、何かやりたいこととかあるだろ」

若いからこそ、やりたいことがない、未来が見えない、どうしたいのかわからないのではないかなと思います。
九條が「ここは天国だ」と言いますが、確かに学生時代は彼の言う通り学校は天国でした。特に何も考えなくてもいい、通うだけで友達と一緒にいられる、ただただ楽しい。
ただ、永遠には続かない。

青木と九條は後半から大きくすれ違いを見せます。
あそこで九條が手紙を読んでくれていれば、落とした缶に振り向いてくれていたなら。きっと青木も屋上でそう思っていたんではないかと思います。
意味に気付いた九條が何よりも早く走っていくところで、切なくなりました。
2人はどうしたって友達だったのに、少しすれ違っていただけなのに。

主役2人の話もそうですが、86分の間にいろんな人のいろんな話が見えます。
大きい事件があった裏で誰かが死んでたり、すれ違いを見せてる裏で誰かが手を取り始めたり。
決して九條と青木だけの話ではなく、あくまで群像劇でみんなそれぞれの時間を生きているような気がします。


見始めたときはわけわからんな??と思って見てましたが、見終わってからは、少し時間をおいて見直したいな、と思う映画でした。
中津

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