★1984年、1986年に続き3回目の鑑賞★
1984年、1986年(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」との2本立て。2本で7時間弱という映写時間。若かったなぁ)以来、36年ぶりの鑑賞なのだが、ストーリーはほぼ憶えているというほど、当時、すさまじい衝撃を受けた作品。
また、ジョルジオ・モロダーが手掛けたサウンドトラックも非常に良い出来でよく聴いていた。
まだブレイク前のオリバー・ストーンが脚本、モロダーが音楽、その後大ブレイクするミシェル・ファイファー(強烈な美しさ。ダンス・シーンは微妙だけど。。。)や名脇役となるスティーヴン・バウアーのメジャー・デビュー作となるなど、若き才能が集結している。
さすがに、ゴッドファーザーシリーズのような重厚さはないが、すでに映画作りの勘所を捉まえたオリバー・ストーンの脚本は非常にテンポが良く、170分という長さを全く感じさせずに一人の成り上がり者の一生を魅力たっぷりに描き出す、実に映画らしい映画。
今回の鑑賞であらためて思い知らされるのが、アル・パチーノの演技力。
同じ暗黒街の大物という設定ではもちろんマイケル・コルレオーネと同じなのだが、冷静、沈着なマイケルに対し、トニー・モンタナはどんなに地位を得ても下品で横柄で粗暴な一チンピラでしかない。そのトニーを完璧に表現。
もちろんその他の映画的要素も申し分ないのだが、パチーノの演技だけでも3時間弱を全く感じさせない魅力があり、その突き抜けさ加減は輝かしいパチーノの経歴の中でも随一ではないかと思う。