やむちゃ

サイクロンZのやむちゃのレビュー・感想・評価

サイクロンZ(1988年製作の映画)
3.5
備忘録
1988.5に鑑賞。

ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウ三人が共演した(現時点では)最後の作品。
監督はサモ・ハン。

プロジェクトAやスパルタンXよりは、かなりスケールが小さい印象。
なんとなく福星シリーズの雰囲気がするなと思ったら、もともとのタイトルは「飛龍福星」だったらしい(公開タイトルは「飛龍猛将」)。

ジャッキーが珍しくやり手弁護士の設定で、序盤はけっこう嫌なヤツ風に描かれている。
が、弁護士設定無くても良かったんじゃない?
弁護士なのにカンフーがやたら強くて、途中からはいつものジャッキーになっているw

また今作は、ジャッキーもサモ・ハンの恋愛要素が多め。
サモ・ハン監督作品は、監督の特権でサモ・ハンのモテ要素が多め(五福星や大福星など)だが、今回は中年(というには早いかも)の初々しい恋のやり取りが描かれる。

ユン・ピョウは三人共演作では毎回影が薄いが、今作も同様の扱いでちょっと不憫。
ただ精神科通院しているちょっとメンタル不安定なキャラという、いつもよりは濃い目の設定(得してないように思うが…)。

ラストの麻薬工場での決戦シーンでは、スパルタンXに続いてジャッキーvsベニー・ユキーデの再戦がある。
あいかわらずユキーデの動きは鋭く、パンチを食らったジャッキーの鼻血がタラリと垂れるシーンが印象的。
だが、初戦(スパルタンX)ほどのインパクトはなかったかな。
量、質とも前回よりやや劣る印象。

今作では、なんといってもボス役ユン・ワーのインパクトが圧倒的。
葉巻を吸い、ちょこちょこ逃げながら、実はむちゃくちゃ強いというキャラをコミカルに演じている。
彼は主演三人と同様に七小福出身で、古くは「ドラゴン怒りの鉄拳」の日本人役や、「燃えよドラゴン」のブルース・リーの吹き替え(オハラ戦のサマーソルトキックや、サモハン戦のあとのバク転バク宙など)からはじまり、「霊幻道士」のキョンシー役などを務めていた。
「イースタンコンドル」で注目され、今作で一気に有名になった。
このあとも「ポリス・ストーリー3」の悪役などで活躍、「カンフー・ハッスル」で香港電影金像奨(香港アカデミー賞)の助演男優賞を受賞している。
ラム・チェンインと並ぶ動きの綺麗なカンフースターだと思う。

年齢的にも立場的にも難しいかも知れないが、ゴールデントリオの共演作をあと一本ぐらいは観てみたいなぁ。
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