みおこし

フォクシー・レディのみおこしのレビュー・感想・評価

フォクシー・レディ(1980年製作の映画)
3.0
エイドリアン・ライン監督のデビュー作。改めて彼のフィルモグラフィーを見ると、刺激的な映画が多いですね(笑)。むしろ本作と『フラッシュダンス』だけ異色かも...。
音楽を時の名プロデューサー、ジョルジオ・モルダーが手がけていたり、主演が若き日のジョディ・フォスターとザ・ランナウェイズのリード・ボーカルのシェリー・カーリーとかなり豪華な布陣です。

素行があまりよろしくない女子高生4人組が、面白くない学校や家族から逃れるように、日々乱痴気騒ぎや異性関係に夢中になっているうちに、大切なものに気づいていく...という80年代らしい青春ものながら、あまり明るい側面はなく、かなり痛々しい群像劇でした。例えて言うならば『サタデーナイト・フィーバー』などでの騒いでいるシーンと主人公たちが悩んでいる暗いシーンとのコントラストの激しい感じに似ていました。
"非行少女"と言うと、ややオーバーな表現かもしれませんが、散々周りに迷惑をかけてきた少女たちが、何かを失ってから初めて気づいた人生の素晴らしさや人間愛。淡々とした展開の中に、大切なメッセージが含まれた作品でした。

当時から天才的な演技力と独特の雰囲気を醸し出すジョディ・フォスターは流石ですが、個人的に一番のお騒がせガールを演じたシェリーがそれに引けを取らない存在感と演技で圧倒。生き急いでいるのか、と思うくらいに衝動的かつ無鉄砲な少女アニーを好演していて意外でした。

ラストはちょっと極端すぎる気もしました...。
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