Nobu

そのときは彼によろしくのNobuのネタバレレビュー・内容・結末

そのときは彼によろしく(2007年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


【『愛してる』よりも重い『おかえり』】

24本目(映画100本観るぞ企画)は
長澤まさみさん・山田孝之さん
塚本高史さん・国仲涼子さんが共演した
日本映画『そのときは彼によろしく』(2007年)

-------------------------
両親の顔を知らない花梨と
親に捨てられた佑司は施設で暮らしている
森の中に置き去りにされ廃車となったバスで
2人に出会った智史は
大切な時間の多くを2人と共有する

親の都合で離れ離れになってしまうが
大人になった智史は
花梨と佑司に約束した『水草専門店』の店長に

トップモデルになっていた花梨は
正体を告げず智史の前に現れる

最初は気付かない智史だが
誕生日に花梨にプレゼントしたプリズムで
やっと本当の再会を果たす

その時の花梨は
深い眠りにつくとそのまま目覚めず
植物人間となってしまう病におかされていて
起きていられる最期の時間を
初恋の智史と過ごすため
『水草専門店』で生活を始めた

医者だった智史の父親は
幼い頃から病気のことを知っていたが
『智史には伝えないで!』
という花梨との約束を守っていたため
智史はそのことを知らない

そんなある日2人は
交通事故で昏睡状態の佑司に再会

まもなく花梨が深い眠りに入ってしまう

花梨からバトンを渡されたように
目覚める佑司

智史はただ一人
花梨が目覚める日だけを待ち続ける

そしてラストシーン
他界した智史の父親から
バトンを渡されたかのように
今度は花梨が奇跡的に目覚め
『水草専門店』の前で2度目の再会
そして…
-------------------------

花梨は智史に伝える

『私ときどき思うの
 この街での出来事は
 全て幻だったのかもしれないって』

人は余りに大切な時間を過ごすと
それが現実味を失い
“幻” に昇華されるものなのかもしれない

そして2度目の再会のシーン

『おかえり』と言う智史
『ただいま』と返す花梨

『おかえり』
を普通に言ってもらえる場所がなかった彼女にとって
『愛している』
よりもずっと幸せを感じるコトバ

今ある幸せに気付くのは
『当たり前』が『当たり前』でないことに気付くこと

それは決して小さいものなんかじゃない
きっと…

~【映画024】そのときは彼によろしく~

https://www.facebook.com/nobuyuki.suzuki.estrellita
Nobu

Nobu