かず

歩いても 歩いてものかずのレビュー・感想・評価

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)
4.1
家族団欒のシーンのはずなのに言葉と本心が一致していないことからくる不気味さや、息子を失ったことで大きな期待や幸せが反転し、より深い悲しみとなって家族を縛り付けている場面など、静かで力強い描写が多くありました。

なかでも、最後の「海辺で船が転覆しているシーン」は特に印象的です。
水難事故で身内を亡くした事実を10年以上も引きずっているにも関わらず、リョウタと父は目もくれない様子。。。
家族でないだけでここまで差があることに、残酷さすら覚えました。

少し不気味で怖く感じながらも、自分の中にも同じ様な感情があるのではないかと考えさせられる、素晴らしい作品でした。
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