歩いても 歩いてもの作品情報・感想・評価・動画配信

「歩いても 歩いても」に投稿された感想・評価

「実家」という場所。

心が落ち着くのになんだか疲弊して、浸りたい記憶もあれば思い出したくない過去があって、大好きな両親だけどドン引きする瞬間もあって、帰りたいけど帰りたくない。

いくつもの矛盾を孕んでいるのが実家。特に家族ができてからかなぁ、実家に複雑な感情を抱くようになったのは。「あれ、俺ここに20年以上住んでたはずだよな?」みたいな。

でも実家に帰った後は、必ず帰ってよかったなぁって思えてしまうから不思議。

そんな「実家」という特異な場所の空気感を、そのまま切り取ったような作品。
taka

takaの感想・評価

5.0
是枝作品で一番のお気に入り
全てが愛おしい

何気ない会話が自然で温かく面白いが、非常に残酷でもある
それは口に出さないけど(樹木希林はズバリ言うが)、皆が心の奥底に思うであろう狡さと残酷さ
家族なのに(だから)気まずく、よそよそしくもなるし敬語も使ったり・・苦笑

アドリブが多そうに感じるが全て台本に忠実だったという
樹木希林は勿論素晴らしいし、YOUも自身のキャラのまんまで自然
で、夏川結衣は影の功労者


そしてこの映画といえば、いしだあゆみの「ブルー・ライト・ヨコハマ」
以前この映画を観たあと60〜70sの昭和歌謡にハマったもの
バックの演奏技術やグルーヴにはもっと目(耳も!)を向けていい
大半を彩るゴンチチの音楽も心に染み入る


料理は・・角煮、大根のきんぴら、枝豆と茗荷の混ぜ寿司、とうもろこしの天ぷら、スイカ、ジンジャーコーラは今度やるー!

風呂場のタイル、歯ブラシ、昔の写真、二階からの家具運び、レコード、忘れ物など帰省あるあるも溢れてる

葉山の階段、平塚海岸の丸い歩道橋
パンクは兄弟揃って好きだったのかな泣


監督インタビュー(クライテリオン版)、自身に近い作品でありながら作品と決別・距離を置くことが出来、今作を作ることで母の死の悲しみを克服したとのこと

素晴らしい作品をありがとう
R

Rの感想・評価

4.5
ノンデリに笑い建前に恐怖する会話劇が面白かった。
画面を出入りする人物の動き、画面外の音や声が豊かで楽しい。
診察室、縁側、襖を使った境界線と人物配置やその動きを見ているだけでドラマティック。
樹木希林のぼそぼそとした語りに耳を傾けていると時折ギョッとするような言葉が聞こえてきてまぁ怖い。振り返りの表情も
shoma

shomaの感想・評価

3.7
是枝監督作品📽️

兄の命日に妻と息子を連れて帰省する阿部寛演じる良多。
そこに姉一家も加わり久しぶりの家族団欒。

是枝監督にホームドラマを撮らせたらやっぱり右に出る者はいないですね。
頑固なおじいちゃんによくしゃべる元気なおばあちゃん、典型的な家族をそのまま映し出しているような。

また距離感が絶妙で気を遣う感じとかよく分かります笑

何かが起こるわけでもなくただ日常の一コマを切り取っただけなのに不思議と引き込まれてしまう。
家族の縮図を見たような感覚。
ユリ科

ユリ科の感想・評価

5.0
つっかけ、体重計、手を伸ばすさるすべりと蝶々
YOUは世界一チュニックが似合う、すごく好き〜…
隠れて聞く歌
ああ
気丈に振舞っていた分、言葉にできない虚しさが際立つなあ
2008年公開のこの『歩いても 歩いても』が僕にとっては是枝裕和監督の今のところ最高傑作です。他人にとっては無価値な領域に近接するほど、当人にとっては宿命的な業として立ち上がるその1つ1つをこれほどまでにつぶさに拾いあげて慈しむ感性。

カンヌという国際舞台で認められた『万引き家族』(2018年)を1人のファンとしてとても嬉しく思いますが、同時に誤解もまた広められた印象があります。

同作を観て思ったのは、その作家の集大成的な作品が必ずしも最高傑作とはかぎらないということや、広く世評を集めるためには切っ先を鈍らせる必要があるということです。是枝裕和監督のフィルモグラフィを断片的にうまく繋ぎ合わせた印象で、たいへん観やすくまとまってはいるものの、この人の真骨頂はこんなところにはないと僕は思いました。

他作品でもレビューしたように是枝裕和の核心とは、虚構のなかにドキュメンタリー的な事実を持ち込むことで、事実のなかにある虚構性を浮上させることにあるはずです。そうした作品に触れることで僕たちが受けとることになるのは、現実世界を支えている様々な幻想性(家族・愛・罪・生の実感など)が虚構と深く結びついているということです。

『万引き家族』にはそうしたすべての要素がフラグメントとして(断片的に)盛り込まれており、やはり最終的には現実世界を支えている様々な幻想性(家族・愛・罪・生の実感など)が虚構と深く結びついていることを僕たちに告げることになります。映画の終盤で、社会悪を罰する父性的な視点によって疑似家族を演じたそれぞれの心情が明らかになっていきますが、母性的な心はそこに真実などないことを訴えることになります。ケイト・ブランシェットが激賞したという信代(安藤サクラ)の泣き方が、そうしたいっさいを象徴しているように思います。

このことに象徴されるように、是枝作品はいずれも母性と深く結びついているように感じます。父性の本質が、ある条件をクリアすることで得られる承認にあるとするなら、母性の本質は、どんな条件も無効にしていく存在肯定つまり愛にあるからです。是枝作品のすべてはこうした母性的な愛の可能性を大前提として作られているように僕には思えます。

またこの監督の1つの作風として有名なのが子供たちに演技をさせない手法かと思いますが、そのドキュメント性もまた母性的な感覚に支えられているはずです。そこには演技という条件つきの効果を無効にしていく感覚が宿っています。たとえばポール・トーマス・アンダーソンのすべての作品が父性関係の挫折に根ざしているように、是枝裕和のすべての作品は母性関係のある種の業(ごう)に根ざしています。

そうした意味で『歩いても 歩いても』は僕たちが人生に吐く呪詛のような思いがどのようにして生まれるのか、そして何かや誰かによって救われることもなく白昼夢のように引き延ばされていくしかないことを、樹木希林の迫真の演技を通して描き出しています。挫折や齟齬(そご)を母性は無条件に受け入れていきますが、そこにあるのは救いや安らぎや希望ではなく、タイトルが示すとおりに「歩いても歩いても」という引き延ばしのなかにしか僕たちの生はない。

息子が身代わりになって亡くなった命日。贖罪のために毎年訪れる青年が帰ったあとにつぶやく「10年やそこらで忘れてもらっちゃ困るのよ」というセリフを、白昼夢のように響かせる女優が樹木希林の他に誰がいるだろう? 是枝裕和の他に誰が撮りえただろう? すべての罪を認めて刑に服しながらも、手のひらでいくら涙を拭い去っても心はそうじゃないと訴えている『万引き家族』の信代と同質のものを描きながら、もっと深い心情がここには描かれています。

そうした慈しむべき白昼夢のような生を僕たちは生きているはずです。
Gumi

Gumiの感想・評価

3.8
冷たいような暖かいような不思議な作品。
邦画にしか出せない味を感じる。
やっぱり樹木希林は最高だな。
うだつの上がらない父親というモチーフを私が好きすぎるというのもあるが、めちゃくちゃよかった 
晳

晳の感想・評価

4.1
生活感に毎回圧倒される。このリアリティがあるからただの映画だ、と放っておけない所がある。結末があっさりと来る感じも息を呑んだ。
家族が集まった時の気まずさというか距離感というか、多分日本中全ての家族が経験してるあのぎこちなさをかゆくなるような描写で描いている

親戚の集まりって短時間だと嬉しいけど時間が経つと帰りたいなーって思ってくるようなそんな気持ちが乗り移ってるような映画だった(褒めてる)

ちょっとネジ飛んじゃうおばあちゃん役は樹木希林の真骨頂と思った
>|

あなたにおすすめの記事