真

波影の真のレビュー・感想・評価

波影(1965年製作の映画)
4.6
数ある若尾作品のマイ・ベスト。乙羽信子、中村嘉葎雄、大空真弓がきっちり脇を固める。岡崎宏三のカメラも本人が「一番納得できた仕事」と言うように素晴らしい。原作を林房雄が「一介の娼婦に至高の観音像を刻んだ」と評したが、本作でも嘉葎雄の「自分を不幸だと言う奴は多いが、お前は不幸を知らない女だ」の台詞が泣かせる。
鑑賞前は「はえい」だと思ってたら、オープニングタイトルに「波影 なみかげ」とあり。気になって図書館で水上勉全集を読んだら、巻末に「初出誌・文藝春秋 波影(はえい)」。どちらが正しいのか謎。
いずれにせよDVDはおろかVHSもない名作、ソフト化を是非お願いします、東宝さん。
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