あけおめ!! ことよろ!!
1962年、カリフォルニアの小さな街。大学進学を控え、地元で過ごす最後の夜。若者たちは真夜中を当てもなく車で走り回る。
男と女の感じは、いつどこであっても当てはまるような普遍的なものなんだなあ。良い車に乗っていることを鼻にかけ、ナンパ。でも、あの車でどこまでも行けるんじゃないかという無敵感はたまらない。カーラジオを流しながら、とりとめもない話を続ける。半分は恋バナ。
群像劇ということもあり、たくさんの人数が出てくる。そして基本夜中ということもあり、誰が誰だか分からない。若き日のハリソン・フォードだけは分かったけども!
ただ、誰かはっきりしないからこそ、そこに自分や身近な誰かを当てはめて共感することができたのではないだろうか。
行く行かないが、夜を挟んで入れ替わってしまうのが面白い。あの大学に入る前の自由で何者でもない時間は、それだけ移ろいやすいのだ。
豊かで楽しかったあの時は知らないけれど、やっぱりどこか懐かしい。そして、この後恐らくアメリカが抱えるであろう痛みを考えると、どこか切なくなってしまうのである。