Ken

市民ケーンのKenのレビュー・感想・評価

市民ケーン(1941年製作の映画)
3.7
2020年301本目。
1941年の作品。映画史上ベストワンとかよく言われる作品とのこと。

すごいなにも考えずに見たけど、それなりにおもしろいけど、そこまでか…?って思っちゃった。
現代の作品と比べてテンポ感はやっぱり遅く感じた。それでも"ローズバッド"という言葉のロマン感は最後まで強かった。そこに惹かれた。


見た後にいろいろなサイトを見たら、たしかにすごいやん……ってなりまくった。
そもそもこの作品1941年のものなんですよ。だから今見たら当たり前なカメラワークで気がつけないけど、80年前って考えると不思議なシーンが多い。
例えば、建物の外観を映して、そのままカメラが移動して、看板の隙間を通って、天窓から下の席にいる人たちを映すところとか。今でこそ当たり前だけど、当時は当たり前ではないよな……
他にもローアングルからの絵とか、たくさん画期的だったことが詰まっているとのこと。

それからお話自体の解釈もとても興味深かった。ラストシーン、すごく解釈に余白を残した終わり方で、ぼく自身いろいろ考えてたけど、想像以上に深いものがあった。
ローズバッドを何の象徴と受け取るのか。いったいケーンは何を思いながら亡くなったのか……

最後は驚きの事実判明!みたいなものではないからこそ味がある。パズルの1ピースねぇ。


とても興味深い作品だった。
Ken

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