個人的には微妙。
前半は良かったけど、いろんな意味で美化と感じた。
異母弟ベクテル殺害がない。
妻はボルテだけだし。
長子にジェチ（旅人、客人）という名を名付けるシーンがない。
歴史ものを史実通りにやる必要がないのは確かなのだが、ちょっと逸脱してた感がある。
弟もカサルしか名前出てこないし、そのカサルも扱いが中途半端。
功臣の四駿四狗もボオルチュくらいしか名前が出てこない。
せめてチラウンは出すべきなのに。
（チラウンの父、ソルカン・シラを彷彿させる人物はいたけど）
あと敵で最大勢力のタタル族のトオリルを出さないのもダメだ。
宿敵ジャムカとの対決に絞るのもいいが、そのジャムカと関わりの深いトオリルを出さないのはやはり問題だと思う。
たださすがにジャムカはカッコイイ。
それと戦闘シーンは迫力はあるのだが、白兵戦ばかりでモンゴル騎兵の象徴とも言うべき騎射がほとんど描写されていないのはマイナス。
ちなみに前年に同じチンギス・ハーンを題材にした『蒼き狼 地果て海つきるまで』が公開されているが、映画としての出来は間違いなくこっちの方が上。
ただ一本の映画に収めるべきではない分量を無理やり詰め込んでしまったことが勿体ない。
