オレオ

buy a suit スーツを買うのオレオのレビュー・感想・評価

buy a suit スーツを買う(2008年製作の映画)
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90年代のアキバや浅草の町並みだと思ってたら2008の遺作だという。嘘だろ。2008にこんな古いフィルムのこんなに古い町並みと人々が映せるものなのか。駅前のビルはまだ分かるにせよ、それでも。メイドやアニメやデジタルを片隅にも感じさせない。きのこパスタ。この時代にノートパソコンで文書打って外でプリント出来るんだと逆に不思議に思ってしまった。2008ならそういうことしてた。クラウドはまだまだで、専らUSBフラッシュを使っていたよね。キンコーズとかでプリントしたのかな。
浅草の風景は今も変わらないけど、大阪物語の映像と同じで、トキワ荘の青春からもずっと同じ古さだ。ノスタルジーという言葉よりも、記憶にある風景や古さというものを映像に保持し続けている。
市川準の言っていることが全部わかる。やっていることが全部わかる。
当然のように市井の人の営みを温かな眼差しを持ってして、しかしそれ以上に、こういうものだと、人間の人生や世界を映し続けている。