Hiro

愛人 ラマン/恋人・ラマンのHiroのレビュー・感想・評価

4.5
終始、とにかく質感が伝わってくる映画。

肌に纏わりつくサイゴンの湿り気、中華街に漂う焼かれた肉とアヘンのにおい、秘密の部屋の外から聞こえる雑踏の音などなど。

逢瀬の舞台がパリではなくサイゴンなのが、悲哀や孤独、混沌、淫靡、肉感、愛憎といったデュオニソスみを何倍にも感じさせてくる気がする。

惜しかったのは、語りが入ることで主人公の微妙な感情を説明しすぎてしまう場面があったところ。特にラスト5分は語りがない方が良かった。
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